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塩川伸明のホームページ■■
私は塩川伸明氏の良き読者とは言えないが,たまたま手に取った『民族と言語(多民族国家ソ連の興亡Ⅰ』(岩波書店,2004年7月)で,このホームページのことを知った。該書は,ソ連邦解体後の今日の視点から,公開された大量の新資料をもとに,改めてこの「多民族帝国」の本質に肉薄した研究で,現代中国研究にとっても示唆するところは大きい。ただ,同じような手法で近現代中国の民族・言語問題にはアプローチできないだろう。なぜそうなのかが,自分にとっての問いであると切実に感じた。ホームページは一見したところ,地味も地味で,つい通り過ぎてしまうつくりだが,「進行中の仕事」など,この種のサイトの中では上乗のできばえである。学生向けの実践的な「論文の書き方」といった文章もあって,読みごたえあり。(村田雄二郎)