冬学期授業案内・茅建建教授
茅海建(MAO Haijian)客員教授2007年度冬学期授業案内
授業科目:地域文化研究特殊研究Ⅴ(2単位)
講義題目:「清朝政治制度と日中関係史料講読」
曜 限:金曜日5限(10月
12日19日開講)
教 室:未定
講義内容:本授業には以下の二つの内容が含まれる。
【1】清朝の政治制度。歴史研究の入り口は政治制度の解明にある。政治制度を明らかにすることで,政治過程の内情を知ることができる。中華民国の政治制度は相対的に理解が容易であるのに対して,清朝の政治制度は今日との違いが大きく,専門的な学習が求められる。それゆえ,本講義では清朝の制度を5回に分けて論じる。(1)「清代の中央政府システムと内閣・軍機処」,(2)「清朝の財政システムと機構」,(3)「清代の司法制度」,(4)「清代の軍事システム」,(5)「清代の外交機構」。
【2】資料講読。歴史学の基本は史料にある。過去の史料を読み解くには,専門的な指導により,当時の専門用語・人の観念・文書の作成方式などを理解することが必要となる。それゆえ,本講義では,1899年に日本を訪問した清朝の劉学詢・慶寛が西太后・光緒帝に提出した報告書を精読する。テクストは第一歴史档案館・軍機処録副本を用いる。学生のほうで,段落分け・句読点打ちを行い,大意を解釈するとともに,関連する背景史料を提供する。茅海建はその場で指導するとともに,疑問に答える。
以上の二つの講義内容を隔週で展開する。
評価方法:史料講読の成績と期末レポートを組み合わせて評価する。
*講義は基本的に中国語で行われるが,必要に応じて適宜通訳をつける。
連絡先:村田 雄二郎(murata@ask.c.u-tokyo.ac.jp)