東文研セミナー
「eDic プロジェクトの研究会」のご案内
日時 8月17日(木)午後2時から5時
場所 東京大学本郷構内工学部8号館7階会議室
発表者 佐藤直実
題目 「阿しゅく仏と阿弥陀仏の役割の相違」
発表要旨
阿しゅく(AkZobhya)仏と阿弥陀(AmitAbha/AmitAyuS)仏は、大乗仏教の最初期に登場する代表的な現在他方仏である。それぞれ、東方妙喜(Abhirati)世界と西方極楽(SukhAvatI)世界の教主として、現在説法を展開しているが、もともと、両者ともに一介の修行者であった。
阿しゅく仏は大目如来のもとで誓願をたて、成道し、一方、阿弥陀仏は世自在王如来のもとで誓願、成道をなした。
成道までの過程を見ると、両者は類似しているが、その誓願内容は著しく異なる。阿しゅく仏が自戒的傾向が強いのに対し、阿弥陀仏は利他的な内容が多い。
これまでの研究では、この相違を「自利」と「利他」あるいは「難行」と「易行」のように、対照的な修行形態として扱うことが多かったが、本発表では、これを釈尊の「降魔」と「成道」という時系列と比較して考察したい。
連絡先:東京大学東洋文化研究所 永ノ尾 信悟
seino@ioc.u-tokyo.ac.jp