村田雄二郎編『「婦女雑誌」からみる近代中国女性』研文出版,2005年2月初旬発売予定(7,875円(税込),409頁)
トヨタ財団2001年度研究助成を受けて活動してきた婦女雑誌研究会の成果が,平成一六年度日本学術振興会科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の交付を受け,論文集として刊行される。
『婦女雑誌』は上海の商務印書館を総発行所とし,1915年1月から1931年12月までの長期にわたって刊行された,近代中国を代表する女性雑誌である。当時の女性をめぐる論点をきわめて良く映し出した点でも特色があり,本論文集に収められた各論文の切り口も,雑誌研究から,文学・芸術,セクシュアリティ,ジェンダー,メディアとさまざまである。
さらに,婦女雑誌研究会ではこの『婦女雑誌』17年の目録を作成した。目録はエクセルファイルで400頁を超える大部なものとなったが,これによって『婦女雑誌』の17年間に及ぶ誌面の変遷が一目瞭然となる。幸い,中央研究院近代史研究所档案館が,同所が作成・公開してきたデータベースにわが『婦女雑誌』目録を加えるべく,目下準備中とのことである。また,それとは別に印刷製本の上,目録集としても刊行する計画である。
なお,本書に収められた論文の一部(中国語版)は,〔台湾〕中央研究院近代史研究所刊『近代中国婦女史研究』第12期(『婦女雑誌』特集号)に,本書と前後して掲載される予定である。
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『「婦女雑誌」からみる近代中国女性』目次
序論:
「『婦女雑誌』と近代中国女性」(村田雄二郎)
第一部:女性の模索
「女性に語りかける雑誌,女性を語りあう雑誌;『婦女雑誌』十七年略史」(陳_湲)
「家庭・職業・革命—両大戦間の中国における都市中間層の女性をめぐって」(岩間一弘)
「『婦女雑誌』から近代家政知識の構築を見る—食・衣・住を例として—」(游鑑明/大澤肇訳)
第二部:文学と美術
「文苑・多羅・華蔓−王蘊章主編時期(1915−1920)の『婦女雑誌』における「女性文学」という観念とその実践」(胡暁真/福士由紀訳)
「『婦女雑誌』と20世紀前期の女性美術」(徐虹/姚毅訳)
第三部: セクシュアリティ
「個人の選択か,国家の政策か:近代中国産児調節運動の展開—サンガー夫人の訪中及び『婦女雑誌』の産児調節特集より—」(呂芳上/姚毅訳)
「「医事衛生顧問」について」(張哲嘉/陳_湲訳)
「「被害者」というレトリック—『婦女雑誌』の娼婦像—」(姚毅)
第四部:ジェンダー
「男性は「人」,女性は「他者」—『婦女雑誌』におけるジェンダー論—」(江勇振/石井弓訳)
「『婦女雑誌』からみる自由離婚の思想とその実践—ジェンダー論の視点から」(許慧_/陳_湲訳)
「『婦女雑誌』と日本女性—近代東アジアにおける「同じ女」の意味とは—」(須藤瑞代)
第五部: メディア
「『婦女雑誌』からみる子どもの言説:日本植民地時代の朝鮮の女性雑誌『新女性』との比較から」(池賢_/陳_湲訳)
「女性雑定期刊行物全体からみた『婦女雑誌』:近現代中国のジェンダー文化を考える一助として」(前山加奈子)
あとがき(村田雄二郎)