小野泰教『清末中国の士大夫像の形成──郭嵩燾の模索と実践』、東京大学出版会、2018年11月刊、判型:A5ページ数:256頁、SBN978-4-13-026159-3
内容紹介
初代駐英公使として著名な郭嵩燾(カク・スウトウ)が中国社会,西洋社会にいかに向き合っていたか,士大夫像の模索という観点から迫る.地方官経験,西洋体験,そして経学・諸子学における思想と実践という三つの局面を軸に郭嵩燾の生涯がいかなる問題意識であったのか,他の知識人との比較を通じて中国の近代を描く.
主要目次
序 章 郭嵩燾による士大夫像の模索
第I部 士大夫の社会的地位の回復を目指して
第一章 士大夫の商賈化への批判
第二章 士大夫どうしの関係悪化への危機感
第II部 士大夫像の模索と西洋政治像
第三章 渡英直前の郭嵩燾と劉錫鴻の士大夫像
第四章 郭嵩燾・劉錫鴻の士大夫像とイギリス政治像第五章 イギリス政治像と士大夫批判
第III部 士大夫像の模索と経学・諸子学
第六章 民を治める方法の模索――『大学』『中庸』解釈
第七章 礼の実践――郭嵩燾の宗法論
第八章「是非の辯を押し付けること」と「己を俗と同じくすること」の克服――『荘子』解釈
終 章 清末中国の士大夫像の形成とその意義
付 録 郭嵩燾関連年表