2014年1〜2月,東京大学院総合文化研究科客員教授として許紀霖教授(華東師範大学歴史系・思勉人文高等研究院)を招聘し,駒場で集中講義をしていただきます。
授業科目:地域文化研究特殊研究VI(冬学期,2単位)
講義題目:中国現代思想史研究
授業内容:本講義の内容は,19世紀末から21世紀初頭に至る中国思想史研究であり,清末・民国・同時代の三つの歴史時期に分けて,社会の変化,制度の改革,民衆の心理のそれぞれに大きな影響を及ぼしたいくつかの大きな思潮・主義・運動・イデオロギーを中国思想史の長期的文脈の中に置き,体系的な分析を行いつつ掘り下げた議論を展開する。講義の目的は,一世紀半以来の中国思想の変化についてその基本的なプロセスを理解するとともに,思潮と危機,思想と社会,中国と世界の間に見られる複雑な相互関係を認識し,各種思潮の内部や各種思潮の間に起こった多義的な衝突について考察することである。
授業計画:
第1回 導論:現代中国における二種の危機と三種の思想
第2回 中華民族の国族構築とアイデンティティ
第3回 現代中国の民族主義
第4回 清末民初の「強国夢」
第5回 五四時期の世界主義
第6回 現代中国の個人主義
第7回 民国時期の自由主義
第8回 民国時期の社会民主主義
第9回 二〇世紀末の思想啓蒙
第10回 近十年来の国家主義思潮
第11回 普遍的価値と中国特殊論
第12回 同時代中国の儒家憲政思潮
第13回 総括:啓蒙は如何にして起死回生するか?
参考書
許紀霖編《二十世紀中国思想史論》,上海:東方出版中心,2000年。
許紀霖編《現代中国思想的核心観念》,上海:上海人民出版社,2011年。
金観濤・劉青峰《観念史研究:中国現代重要政治述語的形成》,北京:法律出版社,2010年。
言語:中国語(通訳なし)。
授業日程と教室はおって通知する。(受講希望者は村田雄二郎まで連絡ください。)