日時:2012年2月29日(水)18:30-20:30
場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム2
作品:『蒙古横断』
制作:薄守次
公開年:1924年
上映時間:100分
字幕:なし
ディスカッサント:畠山宗明
解説
『蒙古横断』は「大陸浪人」として知られる薄益三と甥の守次が内モンゴルで撮影した記録映画である。彼ら20世紀のはじめに中国に渡り、牧場を経営したり軍に荷を下ろしたりしていた。また武装して、満蒙独立運動と呼ばれる民族自決運動に参加した。彼らは満蒙独立運動を通じて内モンゴル王家と知り合い、彼らが北京から内モンゴルに帰還する際に同行することになった。その際に、できたばかりの満鉄映画部から機材とスタッフを借り受け、彼らの旅の道程や内モンゴルでの人々の生活を撮影した。彼らはフィルムを持ち帰るが満鉄映画部はフィルムに興味を持たなかったので自分たちで編集を行ったと自伝にある。結局このフィルムは天覧上映で一度だけ上映されるにとどまった。このフィルムは守次の娘の薄悦子氏によって保管され現在では日本大学文理学部の図書館に所蔵されている。
映画との関係
畠山さんは映画研究者で現在は國學院大學、文教大学、跡見女子学園大学など非常勤講師です。専門はロシア映画です。
畠山さんは薄益三の曾孫にあたります。薄益三は「天鬼将軍」として知られていました。弁士の徳川夢声に『天気将軍』というエッセイ集があり、かなり有名だったようです。
http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2012/02/film_screening_crossing_mongol/