来週に迫りましたので,再掲します。ふるって受講ください。(村田雄二郎)
日程と教室
2012年2月15日(水)1~4限 8号館112教室
16日(木)1~4限 同上
17日(金)1~5限 同上
講義概要
20世紀に思想と制度として現れた「社会主義」がいかにモンゴルなど北・中央アジアの諸遊牧民を巻き込み、どのような社会変革をもたらしたかを歴史的に回顧する。また、社会主義が如何なる後遺症を残し、現代中国などの民族問題とどのように関係しているかについても、歴史を踏まえ、理論的分折を加える。
地球の半分を占めていた社会主義諸国陣営の実態は如何なるものだったのか。伝統的な社会制度や価値観等は社会主義が標榜する「人民の解放」と「民族の消滅」の下でどのように実現されたのか。あるいは実現しなかったのか。こうした問題を世界史の視点から把握することを目標とする。
第1回 遊牧民の先駆者たち――匈奴とスキタイをモンゴルから眺める
第2回 遊牧民の先駆者たち――テュルク系遊牧民とモンゴル高原
第3回 契丹と西夏タングートの歴史的遺物が語る文化
第4回 「雪ダルマ式」と「たまつき式」歴史の集大成としてのモンゴル
第5回 満洲人の出現と「マンチュリアの道」
第6回 モンゴル高原の独立と内モンゴルの「自決」、「自治」
第7回 内モンゴルと中国共産党――土地改革の真実
第8回 内モンゴルの社会変革――牧畜社会の制度的改革
第9回 内モンゴルにおける公有化――人民公社の興亡
第10回 内モンゴルにおける草原開墾と「文明化」・沙漠化
第11回 内モンゴルの文化大革命――その国際環境と国内問題
第12回 中国政府によるモンゴル人大量虐殺事件
第13回 「民族自決の歴史」と「殖民地」に対する再清算
第14回 1980年代における「内モンゴルの民族問題」
第15回 「民族問題」と中国の少数民族政策
成績評価方法:出席と議論、レポート(小論文)を総合して判断する。
教科書:そのつど配布予定。
参考文献:楊海英編『内モンゴルの文化大革命』l~3、風響社、2009~2011。楊海英著『墓標なき草原』上下、岩波書店、2009。楊海英著『モンゴル草原の文人たち』平凡社、2005。ハイシッヒ著『モンゴルの歴史と文化』岩波書店、1964。Bulag, E. Uradyn.
The Mongols at China’s Edge, 2002, Roman & Littlefild.