並木頼寿・大里浩秋・砂山幸雄編『近代中国・教科書と日本』,研文出版,2010年08月刊,566p,ISBN: 9784876363131,10000円+税。
戦前日中の教科書問題を多方面から考究する待望の論集,ようやく刊行。
これで民国期中国の教科書研究は一挙にレベルアップしたといっても過言でない。
目次
総論(砂山幸雄)
第1部:教科書という装置 清末民国期における教科書(川上哲正)、近代中国の小中学校における歴史教育概観(大里浩秋)、清末民国期国文・国語教科書の構想(並木頼寿)、南京国民政府と教科書審定(孫安石)
第2部:教科書と近代思想 連続と断絶―20世紀初期中国の歴史教科書における黄帝叙述(孫江)、清末民国期における中国原始社会像(川上哲正)、清末・民国期地理教科書の空間表象(黄東蘭)、清末・民国期地理教科書の日本像(黄東蘭)、清末の修身教科書と日本(土屋洋)
第3部:教科書の政治学 「支那排日教科書」批判の系譜(砂山幸雄)、日中外交懸案としての教科書問題(川島真)、植民地朝鮮における教科書事件(陳紅民/中里見敬 訳)、1936・37年華僑学校教科書取締まり事件(大里浩秋)
資料編:教科書の発刊情況―清末から民国22年まで(川上哲正)、『日華学報』に見る「親日政権」下の教科書検定の動き(大里浩秋)
あとがき(大里浩秋)