黄章晋 「再见,伊力哈木」
このブログでも紹介した黄章晋 「再见,伊力哈木」の日本語訳が出ました。
「さよなら,イリハム──あるウイグル知識人の希望」(鈴木将久訳),『世界』2009年12月号,岩波書店,236-251頁。
鈴木氏の訳者解説のことばをかりると,漢族知識人とウイグル族知識人の「ほとんど奇跡に近い」心の交流が,憂いをたたえた静かな筆致でつづられる。
"「最後までがんばれ,生き続けるんだ。」
さよなら,イリハム。”
民族の和解(和諧?)と共存への希望のかそけき光を絶やさぬためにも,一読を勧めたい。
あらためて希望について述べた魯迅の有名な一節を想起する。
──地上にもと道なし。歩む人多くして,道成る。
(村田雄二郎記)