昨日,六本木の国際文化会館で清華大学歴史系教授葛兆光氏の講演会が開かれ,私もコメンテーターとして参加しました。葛氏の報告は,丸山真男及び以後の日本思想史研究を扱ったもので,中国思想史研究の第一人者が日本思想史研究に本格的に言及した論として,たいへん興味深く聞くことができました。丸山の『日本政治思想史研究』が中国でこのように読まれるのは,中文訳にいささか関わったものとして,実に感慨深いものがあります。討論ではまた,集まったおおぜいの留学生の質問に答えて,葛氏が中国学術界の現状と問題点を率直に語ってくれました。こちらも外部の人間にとっては,まことに刺激的でした。なお,葛氏の論文は『中国社会科学』2004-3に掲載されています。
2月22日には,中国社会科学研究会の年次シンポジウムが,やはり国際文化会館で開かれる予定です。テーマは,「東アジア地域協力のなかの中国と日本」。こちらにもコメンテーターとして参加する予定です。詳細が決まりましたら,本欄にアップロードいたします。
村田雄二郎