題目:中国近代典権制度
講演者:鄒 亜莎 中国政法大学・法学院・ドクトラルキャンディデト、東京大学・東洋文化研究所・訪問研究員
日時:2011年2月10日(木)午後1時半から3時半
場所:東京大学・東洋文化研究所・4階・405号室(東アジア第一研究部門室)
企画趣旨:近代民法ならば不動産質や買い戻し条件つき売買や特殊な用益権取引などと位置づけることが可能な取引形態が近代民法導入前の東アジア・東南アジアには広く見られ、今日でもそれは行われている。中国においては、中華民国民法典は不動産質の規定をおかず、その代わりに典権をおくという整理を行った。しかし、中国の学説においては、その後特殊な用益権取引という解釈が有力となった。中華人民共和国においても政策的に司法上一定程度認められ、物権法草案には特殊な用益権とされていたが、物権法においては規定はおかれず(従って物権としては認められず)、その機能は買い戻し条件付き売買によって担われることとなった。こうした演変につき制度、学説などの面からの整理を行うとともに新たな枠組みの提示を試みる。
主催:東京大学・東洋文化研究所・班研究「中国法研究における固有法史研究、近代法史研究及び現代法研究の総合の試み」(主任 高見澤 磨 東京大学・東洋文化研究所・教授)
付記:報告・討論は中国語で行います。通訳はつきません。とくに申し込みなどの手続きは必要ありません。ご自由にご参加ください。その他問い合わせは takamizaあっとioc.u-tokyo.ac.jpにお願いいたします。