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2009年 11月 23日
「ポスト金融危機の世界と日中関係」
1、開催日時:2009年12月12日(土曜日)午後13:30~17:30 2、開催場所:東京大学福武ホール(正門、赤門から入ってすぐ、2008年竣工) 3、大会次第案 一、開会式 1、朱建榮華人教授会議代表の挨拶と趣旨説明 2、崔天凱中華人民共和国大使のご挨拶(交渉中) 3、直嶋正行日本経済産業大臣のご挨拶(決定) 二、第一セッション:地球温暖化問題への日中の共同対応の可能性 ①李志東(長岡技術科学大学教授)「中国の温暖化対応戦略と国際協力」 ②西村六善(内閣官房参与<地球温暖化問題担当>/日本国際問題研究所客員研究員)「日本の戦略と日中協力」 三、第二セッション:東アジア共同体に向かう日中協力のあり方 ①岩田修一(東京大学新領域創成科学研究科教授) 「東アジアの原子力利用の提携について」 ②叶芳和(帝京平成大学教授) ③凌星光(日中科学技術文化センター理事長) ④宋立水(明治学院大学教授) 四、 総合討論(第一、二セッションの参加者全員) 五、 閉会式 2009年 11月 17日
今週金曜日の午後は駒場祭準備のため授業がありませんので,オフィスアワーを休止させていただきます。(村田)
2009年 11月 12日
范麗珠教授「中国北方農村の民間宗教」
日時:2009年11月28日(土)16:00-18:00 場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階会議室(コラボレーションルーム4) *期日が近づきましたので再掲します。登録不要です。みなさまのご参加をお待ちします。 2009年 11月 10日
学術交流協定に基づく協定校への大学院学生の派遣について(募集)
北京大学歴史学系、国立政治大学歴史学系及び同大学台湾史研究科、との学術交流協定により、平成22年度の派遣学生を募集します。概要は下記のとおりですので、関心のある方は、102号館2階 国際研究協力室で申請書を受け取り応募してください。 記 1. 対象となる学生 現在、大学院総合文化研究科の大学院学生(博士課程・修士課程) 2. 派遣先大学における派遣学生の身分 学位の取得を目的としない学生として登録される 3. 費用 受入側大学における授業料、検定料、入学料は免除されるが、渡航費、住居費、医療保険、生活費については自己負担とする 4. 派遣期間 平成22年夏学期もしくは冬学期から半年間もしくは1年間 (派遣時期については別途相談、最低1学期以上滞在することとする) 5. 募集人員 各1 6. 提出書類 ・ 申請書(所定の様式) 派遣先大学での研究計画書(日本語、3-5頁程度) ・ 大学院における成績証明書 (日本語) 推薦書2通 (日本語、うち1通は指導教員による) 履歴書(高等学校卒業以降) 7. 提出期限 平成21年12月2日(水) 午後4時 *厳守のこと 8. 提出場所 102号館2階 国際研究協力室 9. 選考方法 書類審査及び面接。日程はおって通知します。 [本件についての問い合せ先] 国際研究協力室 (102号館2階) 松井恵子 2009年 11月 08日
日時: 2009年11月28日 (土) 13:30-17:30
場所: 東京大学駒場Ⅰキャンパス18号館ホール 開会挨拶: 遠藤泰生(地域文化研究専攻長) 趣旨説明: 若林正丈(地域文化研究専攻) 総合司会: 柴 宜弘(地域文化研究専攻) 第一部 文学・思想研究の現場としての地域 司会: 代田智明(地域文化研究専攻) 1.距離の力学 ――北アイルランド現代詩と紛争 中尾まさみ(地域文化研究専攻) 2.フランスにおける精神分析の諸潮流 原 和之(地域文化研究専攻) 3.「ユーゴスラヴィア」と文学――ユダヤ系作家ダニロ・キシュを事例に 奥 彩子(大阪大学COE特任研究員) 第二部 地域への視線と研究者 司会: 若林正丈(地域文化研究専攻) 1.リスボン条約後のEUと欧州政治の変容 森井裕一(地域文化研究専攻) 2.マダガスカルの葬制から見る<地域文化>の射程 森山 工(地域文化研究専攻) 3.台湾における多文化主義と婚姻移民 田上智宜(日本学術振興会特別研究員) 4.記録・報告から参加・介入へ――南米民衆運動に随伴して 石橋 純(地域文化研究専攻) 綜合討論 司会: 柴 宜弘(地域文化研究専攻) コメンテーター: 恒川惠市(国際協力機構(JICA)研究所) 山本博之(京都大学地域研究統合情報センター) 足立信彦(地域文化研究専攻) 閉会挨拶: 増田一夫(地域文化研究専攻) 主催: 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻 科学研究費補助金(基盤研究B) 地域研究における「地域」の可塑性と重層性に関する比較研究 2009年 11月 06日
○広州・長崎比較会議
・第1日(11月30日) 東京大学本郷キャンパス山上会館 ・Day 1 (30th Nov) Sanjo Conference Hall, Hongo Campus, The University of Tokyo 報告者:羽田 正(東京大学、日本) Speaker: HANEDA Masashi (University of Tokyo, Japan) 報告者:董 少新 (復旦大学、中国) Speaker: DONG Shaoxin (Fudan University, China) 報告者:ディラバット・ナ・ポンベジュラ(元チュラロンコン大学准教授、タイ Speaker: Dhiravat NA POMBEJRA (Chulalongkorn University, Thailand) 報告者:岩井 茂樹 (京都大学、日本) Speaker: IWAI Shigeki (Kyoto University, Japan) 報告者:レオナード・ブルセ (ライデン大学、オランダ) Speaker: Leonard BLUSSÉ (Leiden University, the Netherlands) 報告者:岡 美穂子 (東京大学、日本) Speaker: OKA Mihoko (University of Tokyo, Japan) 報告者:周 振鶴 (復旦大学、中国) Speaker: ZHOU Zhenhe (Fudan University, China) 報告者:吉田 忠 (東北大学、日本) Speaker: YOSHIDA Tadashi (Tohoku University, Japan) 報告者:章文欽 (中山大学、中国) Speaker: ZHANG Wenqin (Sun Yat-sen University, China) ・第2日(12月1日) 東京大学本郷キャンパス山上会館 ・Day 2 (1st Dec) Sanjo Conference Hall, Hongo Campus, The University of Tokyo 報告者:島田 竜登 (西南学院大学、日本) Speaker: SHIMADA Ryuto (Seinan Gakuin University, Japan) 報告者:フランソワ・ジプル (フランス国立科学研究センター、フランス) Speaker: François GIPOULOUX (CNRS, France) 報告者:劉 勇 (厦門大学、中国) Speaker: LIU Yong (Xiamen University, China) 報告者:リサ・ロバーツ (トエンテ大学、オランダ) Speaker: Lissa ROBERTS (University of Twente, the Netherlands) 報告者:松井 洋子 (東京大学、日本) Speaker: MATSUI Yoko (University of Tokyo, Japan) 報告者:イサベル・ファン・ダーレン (日蘭学会、日本) Speaker: Isabel VAN DAALEN (Het Japan-Nederland Instituut, Japan) 報告者:王振忠 (復旦大学、中国) Speaker: WANG Zhenzhong (Fudan University, China) 報告者:村上 衛 (横浜国立大学、日本) Speaker: MURAKAMI Ei (Yokohama National University, Japan) 報告者:江 瀅河 (中山大学、中国) Speaker: JIANG Yinghe (Sun Yat-sen University, China) 報告者:村尾 進 (天理大学、日本)、増田 えりか (中央研究院、台湾) Speaker: MURAO Susumu (Tenri University, Japan) & Erika Masuda (Academia Sinica, Taiwan) ・第3日(12月2日) 東京大学本郷キャンパス山上会館 ・Day 3 (2nd Dec) Sanjo Conference Hall, Hongo Campus, The University of Tokyo 報告者:伊藤 紫織 (千葉市美術館、日本) Speaker: ITO Shiori (Chiba City Museum of Art, Japan) 報告者:アンヌ・ゲリツェン (ウォーウィック大学、UK) Speaker: Anne GERRITSEN (University of Warwick, UK) 報告者:劉朝暉 (復旦大学、中国) Speaker: LIU Zhaohui (Fudan University, China) 報告者:シンシア・フィアレ (ライデン大学、オランダ) Speaker: Cynthia VIALLE (Leiden University, the Netherlands) ・第4日(12月3日) 長崎大学 ・Day 4 (3rd Dec) Nagasaki University 報告者:連 清吉 (長崎大学、日本) Speaker: REN Seikichi (Nagasaki University, Japan) 報告者:姫野 順一 (長崎大学、日本) Speaker: HIMENO Junichi (Nagasaki University, Japan) 報告者:魏 楚雄 (マカオ大学、マカオ、中国) Speaker: George WEI (University of Macau, Macau, China) 報告者:周 湘 (中山大学、中国) Speaker: ZHOU Xiang (Sun Yat-sen University, China) 報告者:ウラン・レメリンク (ライデン大学、オランダ) Speaker: Wulan REMMELINK (Leiden University, the Netherlands) 報告者:ピーター・リートベルヘン (ラートバウト大学、オランダ) Speaker: Peter RIETBERGEN (Radboud University, the Netherlands) 報告者:タイモン・スクリーチ (ロンドン大学、UK) Speaker: Timon SCREECH (University of London, UK) 報告者:豊岡 康史 (東京大学、日本) Speaker: TOYOOKA Yasufumi (University of Tokyo) 報告者:松方 冬子 (東京大学、日本) Speaker: MATSUKATA Fuyuko (University of Tokyo) ・第5日(12月4日) 長崎の歴史散策 ・Day 5 (4th Dec) Excursion in Nagasaki 連絡先:羽田研究室(東洋文化研究所) URL:http://www.asnet.dir.u-tokyo.ac.jp/node/6795 2009年 11月 05日
黄章晋 「再见,伊力哈木」
このブログでも紹介した黄章晋 「再见,伊力哈木」の日本語訳が出ました。 「さよなら,イリハム──あるウイグル知識人の希望」(鈴木将久訳),『世界』2009年12月号,岩波書店,236-251頁。 鈴木氏の訳者解説のことばをかりると,漢族知識人とウイグル族知識人の「ほとんど奇跡に近い」心の交流が,憂いをたたえた静かな筆致でつづられる。 "「最後までがんばれ,生き続けるんだ。」 さよなら,イリハム。” 民族の和解(和諧?)と共存への希望のかそけき光を絶やさぬためにも,一読を勧めたい。 あらためて希望について述べた魯迅の有名な一節を想起する。 ──地上にもと道なし。歩む人多くして,道成る。 (村田雄二郎記) 2009年 11月 04日
氏名;王涛(地域文化研究専攻博士課程満期退学)
題目:近世中国軍事学術史序説—軍政職官系統の形態と「兵政」の学の形成 日時:12月25日(金) 16:00〜18:00 場所:駒場キャンパス18号館4階会議室(コラボレーションルーム2) 指導教員:村田雄二郎(地域文化研究専攻),石井剛(地域文化研究専攻),吉澤誠一郎(人文社会系研究科) 2009年 11月 03日
ASNET日本・アジア学講座「書き直される中国近現代史」受講生のみなさま:
12月18日(金)の授業終了後,講師の久保先生を囲みつつ,忘年会を行います。参加ご希望の方は,早めにTAの古谷創くんまで連絡下さい。18時半開始,場所(渋谷)や会費は未定です。(村田雄二郎) 2009年 11月 02日
中国社会文化学会の会誌『中国──社会と文化』第24号が刊行されました。以下,その目次です。入会希望・講読希望の方は,学会事務局までお願いします。(村田雄二郎)
2008年度大会シンポジウム「禅と東アジア」 トマス P. カスリス/宮川 敬之/静永 健/伊藤 幸司 論 説 張 啓雄/黄 寛重/手代木 有児/陳 捷 小特集〔Ⅰ〕「東アジア海域交流のなかの五山文化」 小島 毅/原田 正俊/堀川 貴司/住吉 朋彦 小特集〔Ⅱ〕「文献資料から見た東アジア海域世界」 朱 剛/ルシル・チア 現状と課題 渡邉 義浩/本間 次彦/緒形 康/山口 守 海外学術動向 土田健次郎 書 評 岸本 美緒/片岡 龍 2009年 11月 02日
ナヒヤ「内モンゴルにおける教育の近代化と興蒙志向(1932-1945)──国民統合との関係を中心に」
日時:11月18日(水)15:00〜17:00 場所:18号館4階会議室(コラボレーションルーム2) 指導教員:村田雄二郎(地域文化研究専攻) 副指導教員:外村大(地域文化研究専攻) 副指導教員:二木博史(東京外国語大学) 2009年 10月 30日
主催:東文研「世紀交替期中国における文化転形」研究班 2009年第3回研究会
科研費基盤研究B「世紀交替期中国の文化転形に関する言説分析的研究」 日時:2009年11月21日(土)午後2時−5時半 場所:東京大学 東洋文化研究所3階 第一会議室 *使用言語:中国語(通訳なし) 講演者: 張中良(中国社会科学院文学研究所現代文学研究室主任) 連絡先:東京大学 東洋文化研究所 尾崎文昭 URL:http://www.asnet.dir.u-tokyo.ac.jp/?q=node/6788 2009年 10月 28日
10.16 学習院大学東洋文化研究所 東アジアの人文社会科学系諸分野 助教 1 H21.11.6 H22.4.1 任期はH25.3.31まで(再任が認められた場合2年以内の任期延長を1回に限り可能とする)
9.7 金沢大学外国語教育研究センター 中国語教育法、中国語学、中国文学、中国文化研究 教授または准教授 1 H21.10.30 H22.4.1 任期は3年(再任1回、2年可) 2009年 10月 22日
皆様
時下ますます御清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、中国社会科学研究会「中華人民共和国建国60周年特別講演会」第二回目の特別講演会のご案内を送らせていただきます。 万障お繰り合わせの上、ご出席下さいますようお願い申し上げます。 記 テーマ:「生活史に沿った日中関係(下)−国交正常化後」 講演者: 片寄浩紀(かたよせ こうき) 日本国際貿易促進協会専務理事 日 時:2009年10月31日(土) 18:00〜20:00 場 所:早稲田大学現代中国研究所会議室 東京都新宿区西早稲田1-6-1 9号館 9階 917号室 2009年 10月 21日
ASNET講義 平成21年度冬学期「書き直される中国近現代史(その2)」第一回2009年10月9日
東京大学社会科学研究所・現代中国研究拠点のHPに,今後各回の講義録が掲載されます。http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/kyoten/asnet.html#skip_link%20H21W 2009年 10月 21日
下記の通りに博士論文ファイナル・コロキアムが開催されますのでお知らせいたします。
発表者: 顔 杏如 題 目: 植民地都市台北における日本人の生活文化 —文化の移植、創造と変遷— 日 時: 10月29日(木) 16:30〜18:30 場 所: 18号館4階 コラボレーションルーム2 指導教員: 若林正丈(地域文化研究専攻) 指導補助教員: 三谷 博(地域文化研究専攻) 指導補助教員: 矢口祐人(地域文化研究専攻) 2009年 10月 20日
日時:2009年11月14日(土) 13時30分~16時30分(13時15分開場)
場所:中央大学駿河台記念館330号室(千代田区神田駿河台3-11-5) [JR中央・総武線御茶ノ水駅から徒歩3分、 千代田線新御茶ノ水駅から徒歩3分] テーマ:中国共産党執政60年――その成果と課題―― ■予定プログラム 開会挨拶 13:30~13:35 報告Ⅰ「改革開放30年の成果と課題――政策展開過程から」13:35~14:35 浜 勝彦 氏(中国研究所理事長) 休憩 (5分) 14:35~14:40 報告Ⅱ「現代中国60年をどう見るか――パラダイムシフトを考える」14:40~15:40 毛里和子 氏(早稲田大学教授、中国研究所所員) 休憩 (10分) 15:40~15:50 質疑・応答 15:50~16:30 司会:田中信行氏(東京大学教授、中国研究所理事) ■参加費 中国研究所所員・研究会員:無料 そのほか:1000円 ■定員:65名(申し込み先着順) 申し込み先:社団法人中国研究所事務局 〒112-0012 東京都文京区大塚6-22-18 Tel:03-3947-8029 Fax:03-3947-8039 e-mail:c-chuken@tcn-catv.ne.jp 会場の地図につきましては下記HPをご覧ください。 http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_surugadai_j.html 2009年 10月 19日
村田雄二郎(総合文化研究科)「辛亥革命と民族問題――五族共和をめぐって」
第一回目となる今回は、15分程度の趣旨説明の後、村田雄二郎先生による講義が行われた。 1980年代以降、辛亥革命の持つイメージの書き換えが進んだ。日本においてもそれは同様であった。従来、辛亥革命という事件が注目されてきた背景として、村田先生は二つの理由を指摘した。一つには、それがアジア最初の共和革命であったことである。この事実は、同時代・その後の日本に大きな影響を与えた。もう一つは、それが民主革命(または民族民主革命)として理解されたことである。ただこの場合の「民族」とは、列強の植民地支配に反対する、反帝民族主義の文脈から理解されるものであった。 本講義では、これとは異なった視角からのアプローチが提示された。そもそも辛亥革命は、地方の各省の独立から中央の政権交代というプロセスをたどっている。これは、フランス革命・アメリカ独立革命・日本の明治維新とも異なる形態である。その伏線は、短期的(1860年代以降)に言えば地方の総督・巡撫の権限強化にあったと村田先生は指摘する。つまり、太平天国の反乱を契機として軍事力や財源の確保を必要とした各省は、まとまりを持った実態となり、独立性を強めていった。辛亥革命はその最終局面として現れ出た事件であるという。実際、辛亥革命の動向を左右したのは、地方の再編が進む中で実力を蓄えた省の立憲派のエリートたちであり、必ずしも革命派だけが主人公ではなかった。革命派・立憲派の両者は、時には対立し時には協調しつつ、結果的には清朝皇帝の退位・共和制の成立を共に演出することになった。 辛亥革命を評価する上で、村田先生が強調したもう一つのポイントは、清朝が多民族の複合国家であったということである。大ざっぱに分類すれば、革命派が満州族の王朝である清朝を打倒し、漢族中心の新国家の樹立を主張したのに対し、立憲派はモンゴルやチベットの離反を危惧し、清朝を温存した上での改革を企図していた。両者の立場の分岐は、漢族に対しては明朝の領域の継承者としての皇帝として振る舞う一方で、モンゴル・チベット・新疆に居住する諸民族に対しては「汗(ハーン)」として振る舞う清朝皇帝の政治的な二面性に起因していた。こうした二面性は、均質的な「国民国家」概念とは異質のものである。従って20世紀初頭の中国は、清朝の統治領域を保ちつつ「国民」を統合する理論を模索する、という難問に向き合うことになった。 本講義で取り上げられた「五族共和」(「五族」は満・漢・蒙・回・蔵)のスローガンは、このような前提のもとで登場した。一般的には、孫文が「五族共和」を唱え、民族の融和を訴えたと言われている。しかし片岡一忠氏の研究によれば、五四時期において孫文は、「五族共和」を悪しき過去の象徴であると批判したことが明らかになっている。もちろん、孫文が「五族共和」を唱えなかったわけではない。しかし彼がそれを口にする時は、特定のエスニシティを背景に持つ人々、清朝の旗人やモンゴルの王公を前に演説をする場合に限られていた。 「五族共和」のスローガンが出現する背景として、本講義では武昌蜂起の後,上海で開かれた南北会談を取り上げた。この会談には、清朝側(北)からは唐紹儀が、臨時政府側(南)からは伍廷芳が参加したが、交渉の際のキー・パーソンとなったのは、立憲派の巨頭であった張謇であった。彼は、共和制の採用と引き換えに、清朝の皇族やモンゴルの王侯などに対する優遇措置を求め、「五族連合の共和主義」を提案している。「五族共和」というスローガンは、清朝の領域に居住していた様々な民族をいかにして国民として統合するか、という問題と深く関わっている。 同様の問題は、国旗の制定についても当てはまる。当時の案としては、十八星旗や二十二星旗などが提案されたが、前者は十八行省の象徴であったが、東三省・新疆省・モンゴル・チベットを統合の対象として含むことができず、後者もまたモンゴルやチベットを含むことができない、という問題点を抱えていた。結局、「五族」を象徴する五色旗が採用され、これが中華民国北京政府期を通じて国旗に制定された。孫文は五色旗の採用に強硬に反対し、革命旗である青天白日旗の採用を主張したが、革命派内部でも支持を得られなかった。 また、今回の講義では大きく触れられなかったが、村田先生は武昌蜂起以降の北京の動向についても注目している。北京では、南京に臨時政府が成立する以前から活発な活動が展開され、革命派と立憲派とが手を結び合う現象が見られた。例えば、共和統一会では革命派の若き指導者であった汪精衛や立憲派の論客であった楊度が中心人物に名を連ね、国事共済会の宣言書も、起草者は楊度であったが、背後には汪精衛の影響もあった。これらの場で提出された意見書や宣言書には、「五族共和」にきわめて近い表現がよく出てきている。関連して、宗室旗人に対する評価も取り上げられた。彼らが留学先の東京で刊行した『大同報』は、早稲田大学の政治学の影響を強く受けており、満漢問題・民族問題について高い水準の議論を展開し、楊度とも近い関係にあったという。 これらの議論を経た上で、村田先生が示した結論は以下の三点である。 ①「五族共和」のスローガンは、清朝の提唱した五族の人民が一体となる「国民主義」が、辛亥革命という「共和」革命を経て、民国期における民族団結の基本原則となった。 ②マクロなレベルから見れば、辛亥革命は、大中国/小中国、内中国/外中国という地政学的な基礎の上に展開された接触・衝突の結果生じた事件であり、東アジアの歴史の展開においても大きな意味を持つ。 ③革命派は、政治的には勝利したが、共和制を主導する国民統合・近代的立憲制度の理論については、立憲派の人々に多くを負っていた。辛亥革命は、いわば両者の予期せざる共演の結果であった。 質疑応答 Q:孫文の「滅満興漢」スローガンと「中華民族」との関連性について。 A:興中会を組織した1905年頃には漢族主体の革命を主張していたが、後に態度を変化させ、文献的にも1907年頃からこうした表現は見られなくなっていく。これについては、「国民」をどのように統合するのか、という新国家の問題に対する思索が進んだからだと理解できる。またその背景には、同時期に展開した立憲派や清朝旗人留学生グループとの論争によって、相互の認識が高まったことがある、と考える。 Q:「中華民族的凝集」、「国民国家的凝集」を軸として20世紀中国の政治空間を論じた西村成雄氏の議論について。 A:ここで指摘したいのは、「中華民族的凝集力」が形成される前に、「五族共和」という民族統合の問題があり、それはまず孫文と敵対する勢力である立憲派の中から提出された、という点である。言いかえれば、「中華民族」という言説は、立憲派から提出された議論に乗りかかる形で展開した。また、こうした議論の背景としては、伝統的な世界観との連続性を前提とするよりは、近代政治学・国家学の影響を重視すべきだと考える。 コメント 授業の冒頭で村田先生は、「歴史学は、過去を振り返ることによって、新しく自分の置かれている場所・時代をもう一度認識しなおすという非常に大事な作業」という趣旨のことを述べられていた。ここに我々は、目まぐるしく移り変わる現代中国の情勢に合わせて歴史を書き換えていく、ということとはベクトルの異なる姿勢を見て取ることができる。「書き直される中国近現代史」の基調をなすものとして重要な言葉であると思う。 さて、ある事件や運動(今回の場合は辛亥革命)に対する評価が改まれば、これに関わった人物への評価も更新されざるを得ない。今回取り上げられた楊度などは、その顕著な例と言えるだろう。そうなると、他の人物はどうだったのだろうか、という疑問が浮かんでくる。例えば、劉師培などはどうだろうか。彼は民族主義者として「排満」を唱え、やがて無政府主義に接近し、突然の「変節」を経て清朝の支持者に転じ、辛亥革命後は楊度らとともに袁世凱の皇帝即位を支持したために政治的な生命を断たれ、北京大学教授に招かれるも、直後に世を去った人物である。その経歴は楊度と同様に極めて複雑であり、再評価が求められる人物であろう。また、太平天国の乱後における中国の権力構造の変動を指摘した、辜鴻銘のような議論もある。 しかしいずれにせよ、辛亥革命の背後に横たわる民族問題に新たな注意を喚起し、広がりのあるテーマを提示した、という意味で興味をかき立てられた講義であった。(古谷 創) 2009年 10月 16日
東京大学では、平成22年度より「日本・アジアに関する教育研究ネットワーク」を総長室の機構とし、日本を含むアジアに関する分野横断の教育と研究を強化・発展させるとともに、東京大学とアジア諸国との交流連携を進展させることを任務とします。これらの事業に積極的に取り組む意欲のある特任教員を公募します。
応募期限 平成21年11月11日(水)17時(必着) 採用時期 平成22年4月1日(予定) 詳しくは、下記URLへ: http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/recruit/asnet_kyoin.html 2009年 10月 14日
中研院近史所蔣介石研究群部落格已於近日上線,網址為 http://cksgroup.blogspot.com/
又,上月14至16日本研究群舉辦之國際學術研討會,會議紀要業已登載於部落格上。 (中研院近史所蔣介石研究群助理陳佑慎氏より)
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